超音波測定器エルソニック ESI/P-10(東横エルメス)

超音波測定器エルソニック ESI/P-10

1台でコンクリートの強度測定、ひび割れ深さ測定、厚さ測定、内部欠陥の検出が可能

 超音波を用いて、高架橋・橋梁・トンネル・連壁・床版などコンクリート構造物のひび割れ深さと厚さを精度良く測定します。また、内部欠陥(内部亀裂・空洞・ジャンカ)の検出および音速測定によるコンクリートの強度推定と1台4役の非破壊測定器です。
(※厚さ測定はオプションのセンサーが必要になります。)
オプションのセンサーを用いることにより、各測定範囲を拡大させることができます

機種名 エルソニック
型番 ESI/P-10S
メーカー名 東横エルメス
  特長


  特長

・音速測定によるコンクリートの強度推定
・コンクリート構造物のひび割れ深工測定
・直角回折波法による鉄筋が介在したひび割れ深工の測定法
・コンクリート構造物の厚さ測定
・コンクリート構造物の内部欠陥検出
・付属のプリンターで測定値のプリントアウト

  用途

○ESI/P-10の用途

・トンネル・橋げた・連壁・建物の壁面・床版・ボックスカルバートのひび割れ測定など。
・コンクリートのテストピース・柱の表面劣化部診断の音速測定など。



 直角回折波法による、鉄筋が介在したひび割れ深さの測定法

直角回折波法による、鉄筋が介在したひび割れ深さの測定法


  ひび割れ深さの測定

超音波センサーは、ひび割れを挟んで等間隔に当てます。ひび割れを中心として、センサー間隔を離してゆきます。測定器は、ひび割れとセンサーの間隔が、ひび割れの深さと同じになると、赤ランプを点灯しブザーを鳴らします。赤ランプ点灯位置からひび割れまでの間隔をスケールで測定し、ひび割れの深さを求めます。
現場でひび割れの深さがすぐわかり、精度が高く、取り扱いが簡単です。直角三角形の幾何学的図形の関係でひび割れの深さが求められるため、コンクリートの音速を必要としません。自然ひび割れでも測定できます。

ひび割れ深さの測定


 音波測定

優れた超音波の透過機能で、精度良くコンクリートの超音波伝搬時間がデジタル表示され、音速が測定できます。

音波測定


  厚さ測定

発信と受信、2つの厚さ測定用超音波センサーを、コンクリートの同一面に並べて当てて、その反射波をFFTアナライザでスペクトルとして求めます。スペクトル分布を見て、次にスペクトル線の最大値を探す操作により、測定器に厚さを示す周波数が表示されます。


  内部欠陥の測定

コンクリートの片面から厚さを測定する手法により、内部空洞やジャンカを測定します。
透過法の適用できない壁面の内部欠陥が測定できます。

内部欠如の測定



  よくある質問

Q:コンクリートのひび割れ深さを計測する際、 クラックの幅が狭くても問題ありませんか?

A:測定原理上、ひび割れの幅に関わらず、深さが測定範囲内(30~500mm)であれば問題なく計測が可能です。
ただし、ひび割れの中に砂などの目詰まりがあった場合は 超音波がうまくひび割れを迂回できず、計測が難しい場合があります。
また、クラックの幅が極端に狭いと超音波がクラック間に伝わってしまい、正しい測定結果が出ない場合もありますので、ご注意ください。


Q:「ESI/P-10S」とどこが違いますか?

A:「ESI/P-10S」は、本体は同じでそれにプラスして厚さ測定ができる型番の名称となります。
弊社でもオプションで、厚さセンサー + 2ch小型FFT分析器(SA-78) を合わせてご検討頂ければ同じセット内容となります。




  従来法とエルソニックとの測定原理の比較

測定内容 従来法 エルソニック
ひび割れ深さの測定 超音波の伝搬時間の測定法を利用しているため、コンクリートの音速が必要です ひび割れの影の部分へ、超音波の直接波の進行方向と直角に、2次的な回折波が進む(動ポアソン比効果)現象を利用します。コンクリート測定面上で、直角方向に進んだ回折波の第1波の到着位置を探す手法なので、音速は必要としません
音速測定 超音波伝搬時間法 従来の測定法と同じです
内部欠陥の測定 測定するためには、構造物の裏表に2人の測定者を必要とします。 構造物の片側から厚さ測定の手法で測定します。内部欠陥部では、健全部と比較し、実寸法は同じでも数10パーセント違う厚さが測定されます。


  仕様 

○ひび割れ・音速センサー
型式 ESI/P-10
ひび割れ深さ測定 測定範囲 30~500mm
測定精度 ・深さ30~150mmで±10mm
・深さ150~500mmで±10%  
音速(伝搬時間)測定 測定範囲 0.1~2,000µs(デジタル表示)
測定精度 ・60mm以下で±0.2μs 
・1000mm以下で±0.3μs
・3000mm以下で±3.0μs
許容使用温度 0~40℃
許容使用湿度 80%RH以下(結露しないこと)
電源 ACアダプタ(100V) または、単3形乾電池×8、または、外部電源(DC12V)
プリンター 外付け(DP1HS)、デジタル値印字
インターフェース RS-232Cによる外部出力
消費電流 最大0.5A(DC12V時)
寸法 240(W)×105(H)×245(D)mm
重量 3.2kg



○厚さセンサーESP-15 / ESP-16【オプション】
厚さセンサー
厚さ小型センサー  厚さ小型センサー
型式 ESP-15 ESP-16
寸法 φ28.5(振動面)×L73mm φ24(振動面)×L67mm
深さ 約100~500mm 約40~150mm
公称周波数 1~500kHz広帯域 1~500kHz広帯域
特長 出力小 出力小
備考 測定にはFFT分析器(SA-78)が別途必要です。
厚さセンサーは、ESP-15とESP-16セットでのレンタルとなります。
※FFT分析器をお持ちでない場合、担当者にお申し付けください。別途ご案内を致します。
※ FFT分析器(SA-78)の波形をプリントアウトするためにはオプションのプリンタ(DPU-414)が必要です。



○エルソニック用小型センサ ESP-11【オプション】
寸法 φ12(振動面)×L60mm
深さ 約5~30mm
公称周波数 200kHz
特長 出力が大
透過性大
CAL値 約13.0μs



○エルソニック用強力センサ ESP-12【オプション】
寸法 φ35(振動面)×L95.5mm
深さ 約400~1500mm
公称周波数 5kHz
特長 出力が小
透過性小
CAL値 約0.4μs



  構成品

○ESI/P-10(ひび割れ・音速センサー)

標準構成品 本体 本体、ひび割れ・音速センサー(送信用 ESP-10)、ひび割れ・音速センサー(受信用 ESP-10)、ACアダプター(本体用)、プリンター、ACアダプター(プリンター用)、テストピース、グリス、予備記録紙、通信ケーブル(本体用)、通信ケーブル(プリンター用)、USBシリアルケーブル、通信ソフト(読込サンプルプログラム)、USBシリアルケーブルドライバーCD、取扱説明書(エルソニック)、取扱説明書(DP-1VR)、収納ケース、単3電池×12本

※付属ソフトは、Windows XPまでの対応です。

  オプション品



オプション品 エルソニック用小型センサーESP-11
ひび割れ強力センサーESP-12
エルソニック用厚さセンサーESP-15×2