磁界曝露レベルテスタ ELT-400(Narda S.T.S.)
EN62233・IEC62233適合の低周波磁界強度測定器です。
1Hz~400kHzの低周波磁界強度測定器です。
外部出力端子からの出力によりオシロスコープでの波形解析が可能。あらゆる波形について曝露評価することができます。
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機種名 |
磁界曝露レベルテスタ |
型番 |
ELT-400 |
メーカー名 |
Narda S.T.S. |
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特長
「ELT-400型磁界曝露レベルテスタ」は、一般または職場の環境における低周波磁界強度を評価するための等方性磁界測定器です。
低周波磁界について、体内に誘導電流が流れることによる神経刺激が人の健康に影響をするため、ICNIRPがガイドラインを定めています。
さらに測定方法については、ヨーロッパ規格EN62233および国際規格IEC62233により規定され、これら規格の対象である家庭用電気製品および電動工具を端
緒として、今後一般環境、労働環境での低周波磁界測定と安全管理が必須事項となっていくでしょう。
主な用途
- ・家電製品(EN62233・IEC62233)
- ・自動車、その部品などのノイズ解析
- ・電気炉、電気溶接など労働環境測定
- ・盗難防止装置の安全性確認
EN62233・IEC62233適合試験用に
● シェイプドタイムドメイン(Shaped Time Domain, STD)方式
EN62233・IEC62233は、家庭用電気製品や電動工具などから漏洩する低周波磁界(10Hzから400kHz)が、ICNIRP人体防護ガイドライン以下になることを
定めています。特に、EN62233ではCEマーキングの条件となっており、ヨーロッパに製品を輸出するためには必須の試験です。
EN62233・IEC62233の測定手順は下の通りです。
初めに100cm2磁界プローブで測定、不適合の場合にはカップリング・ファクタを考慮する必要があり、必要に応じて3cm2磁界プローブを使います。ELT-400
型には標準付属の100cm2磁界プローブと、オプションの3cm2磁界プローブが用意されています。
ノイズ解析用に
3軸アナログ電圧出力端子搭載
ELT-400型は、人体防護を目的とした測定だけでなく、機器の誤動作などEMC問題を解決するためのツール
にも活用できます。
低周波磁界による機器の誤動作問題が最近増えてきています。機器を設置した後に誤動作が発生することが
ほとんどです。こんなとき、ELT-400型はコンパクトなので、現場での測定に重宝します。また、アナログ
出力機能を使って、磁束密度の時間変化を確認すれば、誤動作問題の原因究明、対策もスムーズに進められ
るでしょう。
ELT-400とIEC62233
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IEC62233基準測定法 |
ELT-400 |
周波数帯域 |
10Hz-400kHz |
10Hz-400kHz |
測定プローブ |
100cm2±3cm2の3つの同心コイル |
100cm2 等方性プローブ |
基準測定方法 |
時間軸評価 |
ExposureSTDモード (Narda特許) |
検出方法 |
RMS |
RMS |
平均時間 |
1秒 |
1秒 |
セルフノイズ |
<5% |
<1% |
100cm2磁界プローブ
● IEEE/VDE規格、EN62233・IEC6223
100cm2磁界プローブは、元々IEEEおよびVDEで、人体防護目的で測定を行う場合の磁界センサの規格として定められたものです。
一般あるいは労働環境の安全管理を行う場合にはこのプローブを使って測定します。
EN62233・IEC62233でも標準測定法のセンサとして定められています。
初めにこの100cm2磁界プローブを用いて測定を行い、ICNIRPガイドライン(100%)以下の値が表示されれば合格です。
3cm2磁界プローブ
● EN62233・IEC62233カップリングファクタ、優れた空間分解能でノイズ解析に
3cm2磁界プローブは、EN62233・IEC62233で、カップリングファクタを求める際に使用するセンサとして規定されています。
100cm2磁界プローブで測定した値がICNIRPガイドラインを超え、かつカップリングファクタがEN62233で定義されていない機器を試験する場合に必要です。
また、空間分解能に優れているため、ノイズ解析に最適です。
コイルの測定限界(ダメージレベル)について
磁界プローブで使われるコイルの測定限界値は周波数とともに減少します。これは、コイルの基本特性です。
一般に、測定器のカタログには最大値のみ記述されるため、これに気づかず、過大入力によってプローブが壊れてしまうことが多くあります。
ELT-400の100cm2、3cm2磁界プローブもコイルを使っているので、上記のような特性を持っています。
下は100cm2磁界プローブ、3cm2磁界プローブのダメージレベル特性です。
仕様
● 100cm2磁界プローブ,3cm2磁界プローブ 共通
アナログ出力 |
3チャンネル(X-Y-Z) |
アナログ出力レベル |
各モードのオーバーロード限界 = 800mV |
動作温度 |
-10℃ - +50 ℃ |
湿度 |
<95% (30℃) または < 29g/m2、結露なきこと |
バッテリ |
NiMHリチャージブル(4個) |
|
動作時間 |
12時間 |
充電器 |
100
– 240 V AC / 47 Hz – 63 Hz |
充電時間 |
2時間 |
● 100cm2磁界プローブ(+本体)
周波数レンジ |
1Hz – 400kHz, 10Hz – 400kHz, 30Hz – 400kHz |
センサ形状 |
等方性、100cm2コイル(3個) |
ダメージレベル |
RMS
|
160mT |
77.5Hz超えると、ダメージレベルは線形的に減少する(1/f) |
Peak |
226mT |
620Hz超えると、ダメージレベルは線形的に減少する(1/f)
※パルス幅15.6ms、デューティ比1/64以下のパルスの場合 |
測定確度 |
4%(50Hz – 120kHz) |
寸法・重さ |
290x 125Φ mm ・ 910g(本体含む) |
Exposure STDモード |
モード |
ICNIRPGen. Pub |
ICNIRP Occup. |
レンジ |
LOW |
HIGH |
LOW |
HIGH |
オーバーロード限界 |
160% |
1600% |
160% |
1600% |
ノイズレベル |
1% |
5% |
1% |
5% |
表示分解能 |
0.001% |
検出方法 |
RMS(1秒)、Peak、Stnd |
FIELD STRENGTHモード |
モード |
320μT |
80mT |
レンジ |
LOW |
HIGH |
LOW |
HIGH |
オーバーロード限界 |
32μT |
320μT |
8mT |
80mT |
ノイズレベル |
60nT |
320nT |
10μT |
80μT |
表示分解能 |
1nT |
検出方法 |
RMS(1
秒)、Peak |
● 3cm2磁界プローブ(+本体)
周波数レンジ |
1Hz– 400kHz, 10Hz – 400kHz, 30Hz – 400kHz |
センサ形状 |
等方性、3cm2コイル(3個) |
ダメージレベル |
RMS
|
1500mT |
30Hz超えると、ダメージレベルは線形的に減少する(1/f) |
Peak |
2121mT |
240Hz超えると、ダメージレベルは線形的に減少する(1/f)
※パルス幅15.6ms、デューティ比1/64以下のパルスの場合 |
測定確度 |
6% (50Hz – 120kHz) |
寸法・重さ |
250 x 32Φmm ・ 840g(本体含む) |
ExposureSTDモード |
モード |
ICNIRP Gen. Pub |
ICNIRP Occup. |
レンジ |
LOW |
HIGH |
LOW |
HIGH |
オーバーロード限界 |
1500% |
15000% |
1500% |
15000% |
ノイズレベル |
10% |
50% |
10% |
50% |
表示分解能 |
0.001% |
検出方法 |
RMS(1秒)、Peak、Stnd |
FIELD STRENGTHモード |
モード |
320μT |
80mT |
レンジ |
LOW |
HIGH |
LOW |
HIGH |
オーバーロード限界 |
300μT |
3mT |
75mT |
750mT |
ノイズレベル |
600nT |
3.2μT |
100μT |
800μT |
表示分解能 |
1nT |
検出方法 |
RMS(1秒)、Peak |
構成品
標準構成品 |
本体、ACアダプタ、100cm2磁界プローブ、3cm2磁界プローブ、プローブ延長ケーブル、アナログインターフェースケーブル、シリアルインターフェースケーブル(サイドポケット収納)、収納ケース、電動送風機、取扱説明書、簡易取扱説明書、使用時間記録表 |