フェライトスコープ FMP30(ヘルムートフィッシャー社)

フェライトスコープ FMP30

オーステナイト鋼とデュープレックス鋼におけるフェライト含有量の測定

 フェライトスコープ FMP30は、BSおよびDIN 32514-1に従った測定に適しています。応用分野は、例えばオーステナイトクラッディングやオーステナイト鋼または二相鋼製のステンレス鋼管、容器、ボイラーまたはその他の製品の溶接シーム部分の測定です。

機種名 フェライトスコープ
型番 FMP30
メーカー名 ヘルムートフィッシャー社(Helmut Fischer)

  特長

・オーステナイト鋼および二相ステンレス(デュープレックス鋼)における0.1~110FNまたは0.1~80Fe%の範囲のフェライト含有量の非破壊測定が可能
・測定単位は WRC-FN か % Feで選択可能
・20,000ポイントの測定値を4000件のブロックに分割が可能
・ブロックの日付・時刻の自動保存。
・ブロックと最終結果における平均値、標準偏差、最大最小値、測定回数などの統計処理機能
・ヒストグラムなどのグラフ表示許容限界設定を入力し、CpおよびCpkを計算可能
・許容限界設定を超えたときにブザー音で警告
・フリーモードによる測定機能
・マルチポイント測定値におけるマトリクス測定モード機能
・測定データを平均することが可能(数回の測定の平均値を1つの測定値として保存)
・エリア測定が可能(試料にプローブを接触させている間の測定平均値を保存)
・試料にプローブを当てたままで連続的に測定可能
・誤った測定値を自動的に除外するための異常値削除機能
・保存されているデータの再測定が可能
・アプリケーション連結モード:複数のアプリケーションを一括してノーマリゼーションとキャリブレーションが可能
           
・電源入力後すぐに測定可能
・使いやすいメニュー式操作
・USBポートにてPCまたはプリンターへのデータ転送
・日本語含む多言語設定
・大型で読みやすいディスプレイ
・丈夫なハウジング
・自動プローブ認識
・乾電池とAC電源使用可
・自動電源OFFと連続運転の選択が可能
・設定パラメータ保護のためキーパッドロック
・スライド式キーパッドカバー付 (測定用のスイッチは使用可能)


  電磁誘導法



フェライトスコープ FMP30は磁気誘導法によって測定します。
コイルによって発生された磁界が試験片の磁気成分と相互作用します。磁界の変化が第2のコイルのフェライト含有量に比例する電圧を誘発します。次にこの電圧が評価されます。
ほかは非磁性構造のうち、磁性成分がすべて認識されます。すなわち、デルタフェライトやその他のフェライト系成分に加えて、マルテンサイト変態も認識されます。
フェライト含有量測定にとって磁気誘導法がとくに有利の点のひとつは、過剰なフェライト含有量と不利な冷却条件によって形成されているかも知れないシグマ相、つまりFe-Cr沈降物が、正しく非フェライト系の構造成分として認識されることです。他方、金属組織学的な断面では、フェライト組織からシグマ相を区別することは用意にはできず、そのことがフェライト含有量の誤った評価につながる場合があります。



  応用例


例えば、写真1および写真2に示す抗体腐食性二相ステンレス鋼製の容器のように、化学産業や石油化学産業では二相ステンレス鋼が益々多く使われるようになっています。
溶接シームにフェライトが不足していると、引張りや振動の影響でクラックが発生することがあります。
二相ステンレス鋼においては、溶接における溶接添加剤あるいは加熱や除熱の仕方によりフェライト含有量が変化してしまいます。
現場で測定することにより適切なフェライト含有量での管理が可能となり、機械的物性または腐食性の低下につながるような製品を未然に防ぐことができます。



  プローブ

                
型式 FGAB1.3-Fe
ケーブル長さ 1.5m


  オプション品

・FMP30用90°プローブ FGABW1.3Fe



  仕様

機器名・型番 フェライトスコープ FMP30
測定原理 磁気誘導法による非破壊検査
測定範囲 0.1~110FNまたは0.1~80Fe%の範囲



  構成品

標準構成品 本体、プローブ FGAB1.3-Fe、キャリブレーション標準板セット(含有量5段階)、Base、アタッチメント×2、USBケーブル、通信ソフト(Support-CDFMP10...40)、本体用ソフトケース、取扱説明書(FERITSCOPE FMP30)、収納ケース、単3電池×4本